FUCK YOU GOD!

拍手ログまとめ

Theme : Before Christmas

「……あれ?祭壇に……蝋燭?」
「ああ、あれは待降祭が始まるから置いてあるのよ」
「……タイコウサイ?」
「イエズス・キリストが生まれたクリスマスを降誕祭って言うんさ。んで、クリスマスから四つ前の日曜日からそれぞれの日曜日に一つずつ蝋燭に灯を灯してクリスマスまで待つから、その期間のことを待降祭って言う」
「へええ……」
「そうなんだ。知らなかったや……」
「?知らなかったって……アルは英国人だろ?」
「僕はクリスチャンじゃないですから。ケーキを食べる日としか記憶してないですね」
「私が言うのも何だけどその覚え方激しくどうかと思う」
「あ、そういやクリスマスって正式には1月6日までなんだぜ」
「!?マジで!」
「マジマジ。王、或いは三人の学者がキリストの元へ行って祈ったのが1月6日だから」
「……知らなかった……」
「地域によっちゃ、クリスマスプレゼントは1月6日まで開けないって所もあるんさ」
「はぁー……ブックマンってすげえ。歩くお婆ちゃんの知恵袋みたいだ」
「いやいやいやいや!そんなレベルじゃなかったでしょ!?今の!軽くトリビアくらいですよ!!」
「トリビアって!今のトリビアにしたら全クリスチャンから袋叩きにされるさ!?」
「……ま、私は正月普通に祝うけど。あ、ユウ、お年玉ちょーだい」
「叩っ斬るぞ手前ェコラ」
「嘘嘘。大晦日一緒にジェリーさんに年越し蕎麦作ってもらって食べよう」
「……お前と?」
「うわぁ凄く嫌そうな顔」
「じゃぁ僕と食べましょうよ」
「アルと?」
「不満ですか?」
「いや、アルみたいな大食漢に横で蕎麦食べられるとこっちが落ち着かないから」
「そんな寂しい事言わないで下さいよ……」
「あ、そういやおせち料理ってジェリーさん作れるのかな。作れたらそれも食べよう」
「おせち料理?」
「元旦に食べるんだよ」
「へぇ……興味在りますね」
「モヤシに正月祝われるのも癪だな」
「僕は美味しいもの食べられればそれで良いです」
「んじゃ、今の内に箸の使い方教えないとな」
「教えてくれるんですか?」
「おう」
「有り難う御座います」
「ドウイタシマシテ。その代わりクリスマスプレゼントとお年玉を期待しているよ、アル」

Theme : A New Years Day

「明けましておめでとう御座います。と言うことでお年玉!」
「ウザい」
「つれねー」
「フン」
「あ、お早う御座います」
「あーお早う、アル」
「二人で何してたさ?」
「お年玉せがんでた」
「つーか18にもなって同年代のヤツに年玉せがむお前もどうなんだ」
「私はほら、ピーターパンだし?多分」
「遂に頭がイカれたな」
「つーかピーターパンは男さ」
「五月蝿い。じゃぁネバーランドの住人とかその辺だ」
「投げやりさー」
「重要なのはスピリットだ」
「らしくない台詞ですね。酒でも入りました?」
「……そこの英国紳士!今からこのレディにたらふく貢ぐように。主におせち料理を。そしてお前は食うな」
「ええ!!!僕だってオセチ食べたいですよ!」
「ええいだまりゃ!男は女にかしずいてりゃいいんだ!」
「横暴さ」
「はいそこ!ラビも同罪」
「へいへい。……あ、リナリーお早うさー」
「あら、お早う」
「今からみんなで食堂に行っておせち食べるんさ。リナリーも如何?」
「それならご一緒しようかしら……あ、ミランダも誘ってくるわね」
「宜しくお願いします」
「ちょ!アルとラビは一切箸つけるな!」
「……いい加減にしないとお酒飲みますよ?」

Theme : V.D.

「ユウー」
「あ?」
「はいこれ」
「……」
「うっへぇ、凄い酷い顔」
「 何 だ こ れ は 」
「私のユウへの愛の結晶?」
「ブッタ斬る」
「つれねー。マジつれねー」
「……」
「はいはい。これさ、アルにせがまれて作ったはいいんだけど」
「……もやしに?」
「うん。でもさー、本気アルって大食漢だろ。で、正直作り甲斐無いわけ」
「で?」
「わざわざ作ったんだから一瞬で胃袋の中に消える相手に渡すよりも、ほら、ユウ見たく、さも甘いもの嫌いそうで実際やっぱり嫌いです的な相手に送った方が楽しいと思って。主に私が」
「……」
「……食べて、くれるよね?」
「キモウザい」
「いいから食べろって。甘いから」
「甘いのかよ!手前ェオレが甘いモン大嫌いだって知った上で何言ってやがんだ!」
「だって元々アル宛てのだし。つーかその反応が予測出来過ぎて逆に愉快だ」
「六幻!災厄招来!」
「ゲ」
「界蟲一幻!!!」
「おっと!そう照れるなって」
「全力で!照れてねェ!」
「ユウちゃーん、食べてー」
「……!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

Theme : V.D.2

[Dear my friend]

まっさらな紙の出だしは綺麗な筆記体で。

「……これを私に?」
「はい」
「ソレハドウモ」
「今僕のことケチだと思ったでしょう」
「いいや?」
「顔は正直ですよ。……これを」
「これ……」
「開けて見てください」
「あ、……」
「あなたがどんなものを好むか分からなかったので」
「へぇ……。有り難う」
「元々バレンタインデーはキリスト教徒だったバレンタインが投獄されて、そこの看守の娘に惹かれ、処刑されるその日にカードを手渡したのが起源とされているんです。その後カードと一緒に手袋やアンダーウェアを送るようになったそうです」
「ふぅん」
「勿論男女関わらず親しい人に贈ります」
「じゃぁ私からは贈る必要は無いな」
「え」
「親しい人間はいないし。つかめんどい」
「そんな!」
「日本人には関係ない話だしな」
「それは……そうですけど」
「だろ?」
「……」
「……」
「……」
「今度機会があれば何か礼はするから」
「そういうことじゃないんです」
「生憎と裏切るのは得意なんだ」

まっさらな紙の最後に目を落とした。結びの字は少し大きくて。

[From your friend, Allen]

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