この話には性描写が含まれるため、18歳未満の方の閲覧を固くお断り致します。

white lucian: after glass

 どこもかしこも変な匂いがする。自分のものじゃない、他人の匂い。
 ライトとはベッド以外の場所でも身体を繋げていた。その全ては私の家で行われていたから、こんなに心許ない気持ちになることはなかった。
 ……ここはライトの匂いが強すぎる。ベッドやソファは特にそれが強くて、本人無しでも抱きしめられてるみたいな錯覚をしてしまいそうになる。
 とてもじゃないけれど平静ではいられなくて、ライトの甘い手つきに耐えかねた私は一旦お手洗いに、とお茶を濁してしまった。

 ライトが寝起きする、こぢんまりとした部屋に誘われたのは少し前のことだ。
 曰く、「男用のピルの服用で準備ができた」と……粗悪品とか、認可の下りてない変な薬じゃないかと心配した私に、カリュドーンの子のチャンピオンは屈託なく笑った。

「仮にもチャンピオンが自分の身体に入れるものを気にしないわけないだろ。ルーシーの検閲をクリアした、ちゃぁんとしたルートで手に入れたブツだ。
 それで、どうなんだ。来てくれるなら、そういうことになるが」

 ライトに、「まだ、今でも好き。ずっと」と伝えてから、私たちは晴れて恋人同士というものになった。実感が湧かないのは私だけのようで、ライトはビデオ屋の手伝いをする日は必ず連絡をくれて、終わったらどこかに行こうと誘ってくれる。カリュドーンの子の買い出しで新エリー都に来るときも。
 アキラくんはあれ以来しょっちゅう生温い目で見てくるし、妹店長のリンちゃんは目を輝かせてくるしで非常にいたたまれないのだけど、ライトはどこ吹く風で、いつも私のことしか気にしてない。……それが更に嬉しくて恥ずかしくて、どうしていいかわからないのだけど。

 部屋に誘われて、ピルを飲んでるから、だなんて、昔の意趣返しだろうか。そう思ったのは一瞬で、久しぶりに郊外へ里帰りする気持ちでライトの手を取った。
 それに、散々やることはやっているのだ。怖じ気づく理由もなくて、なんならライトからの初めての誘いによく考えもせず頷いていた。
 けれど、いざ彼の部屋にくるとあれこれと考えてしまう。
 だって、あれから結構な時間が過ぎている。当然だけど、歳を取ったし、若さというカードはとっくに手札から消えている。
 なのに、心ばかりあの頃から変わっていなくて、がっかりされたらどうしよう、と不安が募りはじめた。
 昔は良かった。自分の片想いだって知ってたから。でも今は違う。
 ライトの甘い顔に晒される度、胸が跳ねて、頭よりも先に身体が反応する。
 淫らなことをしていた頃よりも、今の方がずっと自分がいやらしくなった気がして、そんな自分がライトの目にどう映っているのか分からなくて、逃げ出したくなる。

 色恋沙汰となるとろくすっぽ経験がないまま来てしまったツケを払う羽目になっている。

 トイレに籠もるのにも限界を感じ、用を済ませた体で水を流して、そうっと扉を開けて、閉める。

「そんなに気を遣わなくてもデカい音は立たんはずだが」
「!」

 思わず肩が跳ねた。シャワールームとトイレが並び、行き止まりに洗面所が固まるこの小さな廊下の出口を塞ぐように、ライトが立っていた。

「な、なんで」
「流石に長いと思ってな。体調でも悪くしたんじゃないかと」

 気遣う言葉を口にしながら、ライトの目はじっとりと私を睨めつける。かと思うと、ほっと息をついた。

「具合が悪いなら今日、急ぐことはないさ。……あんたに嫌がられることはしたくない。無理そうならそう言ってくれ。別に怒ることでもない」
「……」
「長距離の移動はそもそも疲れるもんだ」

 目を逸らすこともなくそう言うライトに、ゆるゆると首を横に振る。
 再会してからと言うもの、ぐいぐいとアプローチしてくる割りに、最後の一歩だけは踏み込んでこない。それが彼の間合いなのか、相手が私だからなのかは分からなかった。

「……えっと、いやなわけでは、なくて」
「ああ」
「む、胸もお尻も、垂れてきたし。お腹まわりだって、お肉がついてきたしで」
「柔らかくていい」
「ら、ライトは昔より逞しくなってるじゃない」
「そりゃあチャンピオンなんかやってるとな」

 ずい、とライトが一歩踏み込む。それだけで、私は前にライト、後ろに洗面台が当たって、身をよじることもままならなくなる。

「気がかりなのはそれだけか?」

 正面からの低くて甘い囁きに、腰が抜けそうになる。
 それだけ、だなんて軽く言うけれど。勢いしかなかったあの頃とは違って、それさえ失った私には、ライトにぶつかっていくような胆力はない。

「……手! 手、洗うから」

 するりと服の裾からライトの手が忍び込みそうになって、慌てて声を上げた。無理くりに身体を反転させて、洗面台で水を出す。石鹸をしっかり泡立てて、殊更に丁寧に手を洗った。
 けれど、ライトには全てお見通しだったのだろう。
 後ろからピタッとくっつかれて、お尻を撫で回されたかと思ったら、ジーンズのボタンとファスナーを下ろされた。

「んっ、あ、ちょっと、」
「俺のハニーは焦らすのがお上手で」

 ライトの大きい手のひらが遠慮なくお尻を揉みしだく。ぷるん、とお尻を下から上へ持ち上げては落とすように触っていたかと思ったら、丸みに沿って足の間に潜り込んできて、ジーンズの上から、まるでくすぐるようにして際どいところを指でなぞって。
 片手なのに触り方がいやらしい。
 かりかりと爪であらぬ場所の上を擦られて、膝が震える。

「も、もうっ、手が洗えな、」
「んー? しかたないな、ほら」

 不埒な手が離れたかと思ったら、後ろからライトの手が伸びて私の手に重なる。両手で包むように挟まれ、すりすりとライトの手で泡が流されていく。
 ……それだけじゃない。ライトの指先は妙にねっとりとして、愛撫のようだった。それを隠しもしない。
 耳の縁を、彼の唇が掠めた。

「あっ」

 唇で挟まれ、熱い舌先がなぞる。更にちゅ、と耳の後ろで音を立てられて、かくん、と膝から崩れそうになる。
 それさえもライトの足が私の間に後ろから入りこんで、できない。

「……ほら、綺麗になったぞ」

 耳に注ぎ込むように唇をあてて囁かれて、あられもない声が喉から出そうになる。
 ……全部、分かってやっている。それが分かるのに、抵抗できない。嬉しいと心が叫んで、身体はすっかり彼に身を委ねてしまう。

 動けなくなった私を、ライトが甲斐甲斐しく世話をする。水を止め、タオルで手を拭く間も、唇の愛撫は止まらない。
 耳だけじゃなくうなじを辿り、びくびくと震える私の身体を宥めるように私の手ごと抱き支えて、熱い中心をお尻に押しつけてくる。
 まだ殆ど何もされてないのに、私の息だけが上がっていく。
 振り向いてライトの唇をねだることさえできない。彼が私に与えてくる刺激を受け止めるのでいっぱいいっぱいだった。
 無抵抗の私に思うところがあったのか、私の手にタオルを縄のように絡めて、ぐいと頭の手の引っ張られた。そのまま壁に押しつけられて改めて前からライトの膝が足を割る。

「可愛い顔だな」
「……っ」

 とろん、とライトの目尻が下がる。ライトからの好意にいつまでも慣れない私をからかうような、嬉しがっているような、そんな顔で。

「前のあんたの表情も良かったが、今は……悪い虫が疼いちまいそうだ」
「んっ……なに、それ」
「あんたをぐちゃぐちゃに泣かせて、今恥ずかしがってるのが馬鹿らしくなるほど過激なことがしたい」
「は、ぁっ」

 首筋をライトの舌がなぞり、吸い付かれる。
 タオルで手をひとまとめにされたせいで、なんだか心許ない。ライトは片手で私の胸を揉みしだいた。ブラの上からなのに、あっという間に下から乳房を出すと、シャツをブラのワイヤーに食い込ませる。

「でかくなったか?」
「……ばか……あんっ」
「感度も上がってる」
「ひ、っや、ぁ……っ強く吸っちゃ、んっ!」

 露わになった乳首をパクリとくわえて、ちゅうちゅうと吸い上げられる。思わず身体が跳ねた。無意識に腋を締めようと腕を下に引くと、思いのほかするりとタオルが解けた。音もなく、私たちの間を縫うように、床に落ちる。私を拘束していたライトの手は役目を終えると、すぐにジーンズをずりおろそうと腰に回った。指を揃えて下着の内側に入れられて、お尻を撫で回すかのように何度も擦りながら、下着ごと下へと向かう。

「ん、ライト、っ」

 性急な動きに、肩を掴む。それ以上の力は込めなかったけれど、ライトはようやく口を乳首から離してくれた。
 じんじんして、濡れた先端が疼く。

「あんたの身体を他の男が好きなようにしたのかと思うと、妬けちまう」
「ライト以外となんてしてないわよ……」
「……そうか?」
「誰にでも中出ししてなんて迫るような真似、するわけないじゃない」

 ライトだけよ、ともう一度小さく呟くと、嬉しそうな顔をしたライトの顔が近づいた。そのまま距離はゼロになって、唇が触れ合う。

「んっ、……ふ、ぁ」

 くちゅ、と音を立てて舌先が絡み、唾液が混ざる。半端に下ろされた下着の中に手を差し込まれて、下生えを掻き分ける無骨な指に身体が跳ねた。

「っ、ああ……っ!」
「ふ……こんなに敏感なのは、俺だからか」
「やっ、音、立てないで……!」

 太ももの間でライトの筋張った手が容赦なく私の秘部を蹂躙する。中の浅いところだけじゃなくて、クリトリスと割れ目を擦られるだけで信じられないくらいの快感が迸り、身体が痺れた。
 立っているのもあるのだろう。次から次へと愛液が溢れて、ライトの手を汚していく。潤んだ肉が擦れて、もっと気持ち良くなって、濡れて……その繰り返し。それに伴って激しくなる水音が恥ずかしいのに、止めて欲しくない。
 結局キスを続けながら手でイかされて、私はふらつく身体をどうにか支えるために、洗面台に手をついた。

「んっ!」

 ぬる、とライトの手が離れ、それにさえ感じてしまう。ライトが私の身体を壁に押しつけてなければ、床にへたり込んでいたかも知れない。
 うっすらと目を開ければ、まだライトの顔が近くにある。じっと私を見つめて、否応なしに目が合う。その唇から漏れる吐息が熱を帯びて、それ以上に強い眼差しに貫かれる。
 かちゃかちゃという音がしたから響いて、僅かに意識がそっちへ向いた。
 ん、とも、え、ともつかないこえが自分の口から零れる。
 下を寛げたライトがボクサーパンツを下ろして、ぶるん、と下腹にぶつかりそうなほど勢いよく怒張が頭を振り上げた。赤く腫れたその先端からは透明の先走りが溢れていて、そんなはずはないのに目が合った気がしてくる。

「そんなに物欲しそうに見てくれるな」

 私の愛液で濡れたライトの手が、いきり立ったそれを数回扱く。艶めかしい動きに目が離せない。
 そのまま、それを支えるようにして先端が私の方へ向けられた。

「……すぐにでも入れたくなっちまう」
「あ、……ん、あ、熱い、っ」

 クリトリスに押し当てるように先端が押し当てられて、そのまま割れ目に沿って私の足の間へ埋もれていく。ぬるついた熱い肉の棒。指とは違う太さと形に、気づけば膝をすり合わせていた。

「これ、好きだったよな?」
「あっ、あ、やぁっ、ひっかか、ない、で……っ、んぁ、はぁうっ」

 ライトがゆるゆると腰を動かして、何度もイったばかりの場所を擦る。腰が引かれる度に雁首でクリトリスを引っかかれて、私まで腰が揺れてしまう。
 充分に潤んだ場所に、ライトの先走りまで加わって、もう太ももの方までぬるぬるだ。それがまた快感を増幅して、先端が何度も膣口を掠める度に、入って来て欲しくて腰を突き出してしまう。

「やだ、ぁ……ライト、……んっ、あ、入り、そ……」
「ん、……っはぁ……、いい眺めだ」

 しつこいほどゆっくりと動かれて、足を開いてはしたなく懇願したくなってくる。
 半端に下ろされたジーンズと下着が私の動きを拘束していた。もどかしくてたまらなくて、片足を上げて、足を抜く。ふらつきはライトが支えてくれた。そのまま上げた膝をひょいと腕に抱えられて、いよいよ熱い欲望が蕩けきった肉を拓く。

「ああぁっ……」

 ゆっくりと太い先端に押し広げられて、強い摩擦に足がガクガクと揺れる。ごり、と一番太い部分が押し込まれた後は、大した抵抗もなく収まってしまった。

「はぁっ、あ、んっ」

 ライトの身体に手を伸ばす。どうにか縋るように首に腕を回すと、ライトが私のお尻を掴んで
 揉みながら、優しく自分の方へ引き寄せた。

「あぁっ、ふか、い……!」
「ん、どろどろに熱くて……っ、あんたのナカ、最高だ」
「あぁあああ……っ」

 ライトに抱えられながら、ゆっくりとした律動に声が漏れる。快感のまま喘ぐ私に、ライトが微かに笑った気がした。

「こんなイイ反応なら……餌をもらえるのを待ってないで、さっさと吐いちまえば良かった。あんたが好きだって、可愛くてしょうがないって、な」
「ああっ、ん、らい、とぉ……っ」
志乃……っ」

 唇を塞がれて、深く差し込まれる。奥のいいところに当たって、激しくされてないのに身体が勝手に震えて、膝が笑って、漏らしたみたいな熱いものが身体の中で爆ぜる。
 嬌声がすぐにライトの口の中に吸い取られて消えていく。イって中が痙攣しているのをライトも気づいているはずなのに、味わうような、焦らすような腰つきは変わらない。
 上手く力が出なくて、ライトの首にどうにか腕を回すだけの私はされるがままだった。

「イってるっ……イってるからぁ……っ」
「ああ……っ、イってるから、もっとイイ、だろ?」
「ん、んん~~……っ」
「はっ、キツ……っ、まだあんたの身体に俺を覚えてもらってて良かった」

 久しぶりなのに、ライトしか知らない身体はすぐに快感で乱れて、歓喜に沸いているみたいだ。ライトの大きさに合わせていい場所を作ったのかとさえ思う。実際、彼の形に沿って快感を拾い続けたのだからその通りなのだけど。
 律動にあわせて揉まれるお尻からもじわじわと快感が生まれて、背中が、腰がぞくぞくして止まらない。

「あ、またイ、くぅっ」
「んっ……はぁ、腰が溶けて、なくなっちまいそうだ」

 ぎゅ、とお尻を一層強く揉まれて、またぴくぴくと中が震える。もう何をされても身体のどこかしらが震えて、快感が高みへと押し上げてくる。

「あんたはどこもかしこも柔くていいな……放してやれん」

 その言葉通りに抱きしめられて、肌と肌が密着する心地よさに、私はまた声もなくライトを締め付けて達してしまった。そこをさらにライトのもので優しく突き崩されながら、彼が息を乱して吐精するのを感じる。

「く、っ……あ、はぁっ……!」

 低く唸るような声が色っぽい。くらくらして、それだけでまたふるりと身体が震える。
 ライトの腕や胸板は昔よりも太く、厚くなっていた。相変わらず固くて力強くて、身体を預ける事に恥じらいこそあっても、不安も杞憂もない。
 逞しくて色気があって、顔が良くて声までいい。そんな男が私を求めているのが未だに信じられなくて、未だにバカみたいに舞い上がってしまう。

「だめ、まだ抜かないで……」

 ライトの腕の力が少しゆるんで、私たちの身体に隙間ができる。それが終わりの合図だと思って未練がましく私から腰を押しつけると、返事のように口づけられた。

「ん、ふ……ぁ」
「……続きはベッドがいいかと思ったが、あんたがそういうなら」

 くす、とライトが笑う。そうして、ずっと腕に引っかけていた私の足を、外側から持ち直した。――そして、改めて私を壁に押しつけて、もう片方の足も同じように持ち上げる。

「っ?! ああぁぁ……っ!」

 咄嗟に彼の腰に足を回すと、楽しげな声がまた響いた。 

「そうそう、しっかり掴まってろ……っ」
「んぁっ、ああ! あ、これ、さっきより、っ、深い、ライトっ……あっ、あっ!」

 膝を持っていたはずのライトの手が、私のお尻を下から支えるように掴んでいる。上半身は密着しているのに、下半身が、繋がった場所だけが離れて、打ち付けられて、さっきよりも奥に届く。
 ちくちくするような快感に足に力を込めると、ライトがそのまま歩き出した。

「やっ、あ、響く、っ」

 彼の身体しか頼るものがなくなって、いよいよしがみつくしかなくなってしまう。そのせいで中を締め付けてしまって、余計に気持ちがいい。

「蕩けてるのも良かったが、っ、必死なあんたも昔を思い出して、いい、なっ」
「あぁんっ! 何、言って……っんっ、あ、ああっ、イくっ、イっちゃ、ん、んん――っ!」

 ベッドまであとわずかというところでライトが立ち止まり、唇を塞ぐ。柔らかい感触にぴくんと中が気持ち良くなったかと思うと激しく腰を振られて、私はあっという間にまたイってしまった。
 何回もイかされて、気持ち良くて、余韻に震える私を、繋がったままライトがベッドへ乗せる。そのままぐっと腰を押しつけながら体重をかけられて、彼の腰に足を絡めたまま足先をピンと伸ばして、断続的な快感に膝がわななく。もうめちゃくちゃだ。
 なのに近くで見るライトの目は酷く嬉しそうで、私の口からぽろりと、その言葉を零してしまった。

「……すき。ライト……もっとして」

 そう言えばライトを煽ることは分かっていたのに。
 もう我慢しなくていいと思ったら、どうしても堪えることができなかった。



 雑に服を脱いで、互いの肌を確かめ合うように何度も果てを迎えた私たちは、結局ベッドの上だけじゃなくて、シャワールームでまで繋がった。
 二人入ったらぎゅうぎゅうになるのに、「だからいいんだろ」と後ろからライトに抱きしめられて、立ちバックで。
 ライトから仕掛けられるのが嬉しくて、応えてしまった私も私なのだけど。

「ここ、声響く、から……っ」

 淫らな自分の声が思いのほか反響して声を堪えると、緩急をつけた律動で性感を煽られて。

「あんたの尻が出してるイイ音の方がデカいんだ、今更だろ」

 そう言われるほど激しく腰を打ち付けられて、結局声を出してイってしまった。いくら最中がよかったからって、流石に反省ものだと思う。

「折角今日のために着てくれたってのに、このエロい下着もあんま楽しめなかったな」

 シャワーで汗だのなんだのを流した後。ベッドの端にかろうじてぶら下がった私の服からひょいと下着だけをつまみ上げて、ライトが残念がる。

「別に、普通でしょ。レースの綺麗なやつではあるけど」
「でも上下揃いで、タグの印字も真っ新だ。めかし込んでくれたんだろ?」
「……そういうのは言わなくてもいいでしょ」
「おっぱじめる前なら嬉しいくせに」

 ライトの手から下着を奪って、他の服と合わせてソファへ放り投げる。
 ベッドに身体を預けると、程なくして心地よい睡魔がじわじわと身体を包んだ。

「いつ言われたって嬉しいけど」
「お、誘い文句か?」
「バカ」

 ライトに背を向けて横になると、後ろから抱きしめられる。シーツが被さって、お互いの体温ですぐに温まっていく。
 お腹に回された手を撫でると、うなじにライトの唇を感じた。胸がむずむずして、咳をするかのように、出てくる言葉を止められない。

「……寝て起きて、元気だったら」

 瞬間、肩に唇を押しつけて遊んでいたライトが強く肌を吸い上げた。

2026/02/04 UP

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