夢綴り
amor fati

ネタ帳と返信。乱文は仕様。ネタバレ全開。

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No.14

#ポックル #HxH
書きかけです。

2019/6/2

 彼の指と私の頬が擦れて、さり、と小さく音を立てた。ざらついているわけでは決してないけれど、乾いていて肉厚で、太い彼の指の温もりを産毛の先で感じる。その指の向こう、拗ねたようにも見える顔で照れる彼を見た。
「……なんだよ?」
「ううん」
 ぶっきらぼうな声と言葉とは裏腹に、私に触れる指先は優しい。そして注意深く私を見て、なにやら推し量ろうとする眼差しに酷く満たされる。空の器に水が注がれるような充足感。この時、この瞬間、彼は私の事でいっぱいになっているのだと思うと、気分が高揚する。これでまた頑張れる。
「明日はどうする?」
「そうだな……」
 指先が、まるで動物にするみたいに私の頬を滑り、髪を梳く。それが妙に色っぽくて、誘われているようにさえ感じた。
「……おい、急に変な顔するな」
「なに、変な顔って」
 指が離れていく。伝わったのか。問うと、彼は耳を真っ赤にして目を泳がせた。<!–続かなかった–>

2019/6/21

 蓑虫みたいに布団に包まって寝る彼は貴重だ。そもそも私よりも先に起きてないというのが既にレアなのだけど、それでも昨晩機嫌よく酒をかっ喰らってベロベロになったせいか、午前10時を回っても起きてこない彼を起こすことになった。蓑虫の彼は手強い。それを、最初は優しく声をかけて、布団をぽんぽんと叩き、揺さぶり、そして時間をかけて最終的に力付くで引っぺがす。
「う……」
 低く掠れた呻き声とともに、ぼさぼさの髪の毛とシーツの皺の跡を頬にこさえた彼が薄目でこちらを見た。物凄い顔。
「おはよ」
「……う……はよ……なんじ……」
「もう直ぐ11時」
 目をしぱしぱさせて、どうにかこうにか起きようと試みる彼は、言葉にならない呻き声を伸ばして、ベッドの上で動物よろしく伸びを一つ。
「起きた?」
 今朝売店で買ったペットボトル。まだ冷たいその底で額を小突くと、うにゃうにゃと返事があった。何言ったんだか。

メモ